原則スプレッドが例外的に広がるときはどんな時?

FX業者は個別の投資家の売買オーダーをなんらかの形で市場のカバー先を使って売買をしながらこなしてくことが求められます。

現在、国内のFX業者にはDD方式と呼ばれるFX業者の社内にディーラーを設置して顧客からの売買オーダーを処理し、一部は反対売買をしながら外部のカバー先につないで取り引きするところと、すべてのオーダーをカバー先のインターバンクに投げて、それにマークアップ(利益)を上乗せするNDD方式を採用しているところとの二つが存在します。

このうち、原則スプレッド固定を謳っている国内FX業者はそのほとんどがDD方式でひとつひとつの顧客のオーダーを外部に投げるのではなく、顧客間のオーダーで相殺したりまとめてカバー先に発注するなどしてできるかぎり固定に近いような形でスプレッドを維持しています。スプレッドというのはインターバンクでは常に変動するのが基本ですから、

原則固定という状況は業者が作り出している特別な状況なのです。

しかしいくつかの場面ではこの原則固定という状況が大きく崩れることがあるのです。どんな時にこの均衡が崩れることになるのかを見ていくと次のようなことになります。

経済指標や要人の記者会見の場合は日常的にワイドスプレッド

もっともスプレッドが広がりやすいのは経済指標の発表直後です。

中でも有名な経済指標といえば米国の月初金曜日夜10時半(夏時間は9時半)に発表される雇用統計は世界的な注目を集める経済指標でその直後は大きくスプレッドが広がることになります。

(参考:米国雇用統計は何故重要なのか【為替・株価に影響する理由】

また主要国の中央銀行の政策金利の発表とその後の記者会見も大きくスプレッドが開くタイミングとなっており、注意が必要となります。

日常的にワイドスプレッドになるのはFOMCの結果発表や議事録の公表、ECB理事会の結果発表とその後のドラギ総裁の記者会見などですが、それ以外にも先進国の個別のGDP速報やPMIの結果速報などはワイドスプレットガ頻発することになります。

この場合通常ドル円で0.3銭ぐらいで動いているものが30銭近くなってしまうこともあり、指値を刺していても全く約定しないという状態が作り出されることになるのです。

オセアニア早朝の取引が薄い時間帯

経済指標の発表とともにスプレッドが広がりやすいのはニューヨークタイムが終了してから日本市場が開くまでの午前6時から8時ぐらいまでで、とくにニューヨークタイム終了後はどこの業者でもかなりスプレッドが広がることになります。

ですからこの時間帯は売買ができてもなかなか利益を確保するのが難しいという状況に陥ることが多いのです。ただし経済指標などの発表時スプレッドにくらべると広がったままの状態ではあるものの、一定の幅に収まったままで推移しますので、なんとか約定はする状態になるといえます。

このDD方式でやっている原則固定という仮想的なスプレッドサービスでもこの調子ですから、インターバンク直結で20社近いカバー先から適切なところを選択して顧客に価格を提供するNDD方式の場合はもっとインターバンク市場の状況をスプレッドが反映させることになります。

このNDD方式の場合、インターバンクのコンピュータが提示してくる価格の比較の中で最適な価格を設定することになりますが、経済指標などの発表直後はそもそもこのインターバンクからのプライスがワイドスプレッドになりますので一定の時間を置いておさまるのを待たなくてはならないのです。

同様にオセアニアの早朝時間帯や年末年始などで参加者の少ない時期にはやはり大幅なスプレッドの広がりに注意する必要があります。ただカバー先が多ければ多いほど終息するまでの時間も早くなるのが一つの特徴です。

それでもこのNDD方式であればもっとも狭いスプレッドを提供するインターバンクを常にコンピュータが選び出して最適化してくれますので、DD方式よりも信頼性と透明性の高い仕組みになっているといえます。

本来インターバンクのデスクでは指標発表後はプライスがでないのが基本ですからコンピュータが無理やり出してくる価格は様子をみて大きなスプレッドをあえて提示してきているのです。

したがってこうしたタイミングでは本来は積極的に売買をしないことがリスク管理上では重要になってきます。

スプレッドが広がってしまいますと、結果として全く約定しなくなってしまいますし、利益がほとんど取れなくなることもありますので、あまりお勧めできない売買タイミングであるということができます。

参考: FXのスプレッドとスワップの計算方法【スプレッドが狭く、スワップの高いFX会社の見分け方】

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