ドルベースで見た日経平均は景色が違う

10月31日の日銀の不意打ちともいえる追加緩和以来ドル円も高騰、日経平均も高くなっていますが、そもそもこの東証の売買というのは7割近くが外人投資家によって支えられているわけですから、彼らにとっては米ドルやユーロをベースにしてみてその価格がどうなのかということを考える必要があるのです。

確かに我々日本人にとっては日経平均もドル円も連動して上昇していますが、ドルをもっている人間が日本の証券市場に投資しようとした場合ドルベースでの株価がどう推移しているのかが大変大きなポイントとなってくるのです。グラフィックス4

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過去10年のドルベースの推移

この10年間でいいますと、かなり円ベースでの日経平均は動きましたし、なによりドル円の相場は相当な変化を遂げたことは間違いありません。

しかしこの2014年10月以降これだけ証券相場が上昇したといっても2006年5月に156.15ドル、2013年5月に156.45ドル、今年1月が155.36ドルであって、この10年では一度も156ドルを明確に超えたことがないのです。

したがって156ドル付近というのは毎回海外の投機筋の売りのポイントになってしまっているのです。

今後日銀は来年から3日に1回株を買うつもりでいるようですが、156ドルを超えて上昇していくことになるのかどうかが最大のポイントになっていくことは間違いなさそうで、株価が為替相場を乗り越えていけるかどうかが注目点となるのです。

180ドルから200ドルへと向かえば本格的な上昇相場

最近では日本株の売買をする海外勢は殆どが円キャリーで円を調達してそれをベースに株式投資を行うようになっていますが、投機筋は売買の利益の目減りを無くすために株と共にドル円も買うようになってきたのが定石でした。それでも156ドルという節目になると売り時としてそれなりに日本株は売られてきたのが実情です。

今回の第二回目の日銀の金融緩和でこの水準を大きく超えて180ドルや200ドルといった線が見えてくると、さらに海外勢の投資の加速も期待できる状況ですが、これだけ調子が良くなったように見えてもいまだに今年は年初の高値を越えていないのが実情になっているのです。

こうした海外投資家視点で日本の相場を見ていくと、この先の動きがどうなってくるのかが非常によくわかるようになります。

つまり外貨ベースで日本に投資するプレーヤーにとってドルベースで本当に利益が大きく拡大する瞬間がやってくればかなりの一段高が期待できることになるのです。

確かにドル円と日経平均はかなりの相関関係にありますが、為替は政治的な横槍が入ることも予想されるため、この先120円以上にどんどん上昇していくようには見受けられません。その一方で株価のほうが安定的に上昇することができれば156ドル超が明確になってくるタイミングが訪れることとなります。

果たして2015年がそうした年になるのかどうかが大きな期待ポイントとなっているのです。

消費税上げが企業業績を下押す可能性も

この12月に消費税が上がることになるのかどうかは向こう1ヶ月の動き次第ということになりますが、仮にこのまま消費税上げが断行されますと、来年の国内景気は想像以上に落ち込むことが予想され、増税による不景気がやってくることも十分に考えられます。GDPの6割以上が個人消費であるこの国はこうした景気の悪化が企業業績の悪化へとつながり、結果として株価を押し下げることも予想されます。しかし為替のほうは良くない日本売りの形をとって円安だけが進行してしまうこともあるのです。

参考:消費増税延期による為替への影響について

こうなるとドルベース156ドルを超えるどころか大幅に下回る相場となって日経平均は日銀が買い支えても上がらない事態に追い込まれる可能性がでてきています。為替と株の連動性もかなり微妙な状況にさしかかってきていることがわかります。年末から年始にかけては、こうした外人投資家視点で国内の相場を見ていくことが、為替取引を考えるに当たってもきわめて重要な状況となっているのです。

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